【書籍レビュー】NAS illmatic

どーも白湯です

今回紹介する本はこちら

「NAS イルマティック」

マシュー・ガスタイガー:著 押野素子:訳 高橋芳則

NASのイルマティックとは

NASはクイーンズブリッジ出身のラッパー

イルマティックは1994年NASが20歳の時にリリースした伝説のアルバム。

Illmaticという言葉は造語で意味は諸説ありますがHIPHOPで「ILL」は「病的にヤバイ」を意味する。

著書はNASとIllmaticの歴史、世の中へ与えた影響についてが余すことなく語られた一冊です。

私のIllmaticとのDramaticな出会い

中学2年生の多感な時期「キックザカンクルー」に衝撃を受け「キングギドラ」を中心にリアル志向のHIPHOPに触れ、どうせ聞くなら本場のラップだろと「EMINEM」「2PAC」を聞き始めていた私。

インターネットよりも雑誌などで情報収集をしていた当時に、HIPHOP関連の情報誌「411」にて「Nas」の存在を知ることとなりました。

なんでも「Illmatic」は、米有名HIPHOP専門雑誌「TheSource」でマイク5本評価を得た最高のアルバムらしく、マイク5本を記録した作品は、HIPHOPの歴史上でごく僅かであるとのこと。

「これはNasを知らずしてHIPHOP好きを名乗れないぞ」と早速チャリンコに跨り、TSUTAYAでCDをレンタルしたのであった。

最初の印象

正直微妙だった、2PACやEMINEMの様な派手さを感じず、全体的に暗く退屈な印象が正直なところであった。

それでも私は「ラップ好きなら知っていて当然だろ、こいつの良さが分からない奴はにわかだぜ」くらいに思って聞き続けていました、聞いている本人あんま良いと思わず、通ぶって聞いていたのだから、かなり痛いです、ILLです、違うか。

その後も「50CENT」を中心に「ギャングスタラップ」や「SOULJABOY」を切っ掛けに「サウスミュージック」、「LILWAYNE」「DRAKE」「J.COLE」など流行りものをとりあえず聞いていたが、ついに現行のHIPHOPには「ASAP○○」あたりから完ぺき追いつけなくなった現在までが、私の ミーハーなHIPHOP史である。

今になって聞くIllmatic

なんだかんだ割と良く聞いています。自然に首を触れて聞いててそこまで疲れず、アルバムも通しで10曲とコンパクトにまとまってます。

アルバム単位で曲を聴くリスナー自体減ってきているらしく、自分もサブスクではとりあえずトレンドをさらっと聞いたり、好きなアーティストよりも好きな【曲】単位で音楽を聴くようになりました。

「オールドスクール」周辺のHIPHOPは殆ど聞きこんでいませんが、その中でもやっぱりIllmaticのビートはかっこいいです。

散々聞いていたからか日常に取り入れやすく、今になっては口ずさみたくなるパンチライン、馴染みのビートやNASのフローは、「自分が好きなHIPHOPの体現」だったんだと改めて感じます。

著書から知るIllmatic

どうしてIllmaticが伝説になったのか

・リリース前から評論家の評価がとても高かった

・Nasが育った環境がゲットー(貧困)でありながらHIPHOP的に超英才教育

・プロデューサー陣(作曲者)が当時の最強メンバーで滅茶苦茶イケてた

・Nasのラップが半端なくリリカル(詩的)

・韻の置き方が革命的 総じてラップがうまい

・革新的である中でHIPHOPの伝統を重んじた作品。

・当時のクイーンズの空気を伝える歴史的資料としても優れた作品。

 HIPHOPは地元愛がとても強く、当時薬や銃が生活のそばにあり生き抜くことすら厳しい貧困環境をありのままに描写し世界に広めた功績は大きい。

その時代、その場所で生きる特殊な文化が生み出した奇跡こそが、不屈の名作「Illmatic」だったのです。

いまでも「Nas=Illmatic」と認識するリスナーは多く、ほかの作品もIllmaticと比較をされがちなNASですが、新時代のラッパーが敬愛する作品ではIllmatic以降の作品が出ることもあり、彼の功績は以降も続いていきます。

私にとってのILLMATIC

当時流行ったHIPHOPは今でもたまにサブスクで聞き返します、大量に買ったCDは後輩に譲り、HDも破損して聞けなくなった曲もしばしば。

どの曲も当時の自分を思い出させてくれる大切な作品です。

特に音楽聴き始めの作品は、音楽をただただ愛してやまなかった純粋な気持ちを取り戻してくれます。

自分も2PACみたいなカリスマに憧れたりNasみたいな伝説を残そうと16歳ごろからリリックを書いたり書かなかったりしてきました。

中古のMTRにインストを レコードから 取り入れ、ケーブルジャックがなんだかやけに細いマイクを刺して録音してみた 私にとってはじめての作品

インストはイルマティック5曲目「Halftime」でした。

始まってもいないのにハーフタイムとは何事かと思いますが、当時のレコード屋で 自分が知っている数少ない作品の中、気に行ったのがNASのHalftimeだったのは間違いありません。

いまとなっては簡単にパソコンでビートを拾って録音もできます

「よく分からないけど、とりあえずリリック書いて、仲間を呼んでラップして録音しよう」なんて、あの初期衝動は、あの時しか味わえないものなのかもしれません。

ですが自分は、今もリリックを書いて時たま仲間とラップをしています、年とともにIllmaticのような若い荒々しさは薄れますが(もとからあんなに過激なリリックは書いていませんが)それでも私のIllmaticはまだまだ中盤戦くらいで、これからも続いていくと思います。

そんな感じでありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました