【書籍レビュー】ひとりも殺させない それでも生活保護を否定しますか

内容

白湯です。

今日紹介する本はこちら

「ひとりも殺させない それでも生活保護をしていしますか」 著 藤田考典

大学生時代にホームレスと出会ったことを切っ掛けに貧困問題に取り込むことになった著者。

NPO法人ほっとプラスの代表理事として生活困窮状態にある方の相談支援を行い

厚生労働省社会保障審議会で委員を務めるなど、多くの貧困問題に触れてきました。

そんな著者が「貧困」とはなにかを、現場で働く人の視点で語ってくれます。

さらに、世の中で話題にたびたびあがる不正受給ですが

実は全体の99.6%が不正受給でないことや、むしろ生活保護を受ける資格があるのに受けていない人が、受給中の人より圧倒的に多い事実などが述べられています。

生活保護の制度を理解している人は少なく、受けたくても受けられない人の存在や

家族や地域の目を気にして受けることを恥じに感じる風潮がとても強いようです。

ほかには、生活保護だけでは本当の自立にはつながり辛く、必要な支援について。

生活保護に対する様々な考えた今後について書かれています。

感想

そもそも生活保護に対する考えは人それぞれだと思います。

自立できてない人が自分たちの税金で生かされる必要があるのかと疑問に思う意見も理解できます。

ですが、「生活保護とはどうして出来たのか、何のためにある、どのような制度なのか。」

まずは生活保護についてきちんと知った上で改めて生活保護を受給している人について考えてみてはいいのではないかと思います。

著書はそんな理解を深めるうえで、単に制度理解するだけでなく現場の視点で実際に存在する「貧困」が描かれていてとても参考になりました。

また、今後AIにより仕事を奪われる人や景気の関係、高齢化で生活保護を受ける人は確実に増えるはずです。

何より、戦争や自然災害、不運な事故で自分が働けなくなったとき、生活保護がなければ、自分自身のたれ死にします。

今後、日本の政治経済がどうなるのか関心を持つべきだと痛感しました。

最後に、日本国憲法第25条にある

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有す」

我々の生存権は国に保証されていますがこの権利を我々はしっかり果たせているのでしょうか。

個別化がすすみ便利で楽な暮らしができるようになってきたのもまた事実です。

同時に地域や人とのつながりが希薄になってきている現代社会、本当の幸せが何か、また少し考える自分にとっての材料になりました。

なんにせよ いろんな人の経験や考えをしれるのはいいですね、一読の価値はありだと思います。

ありがとうございました。

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